

アングロ・ボーア戦争博物館
アングロ・ボーア戦争博物館(Anglo-Boer War Museum)は、南アフリカの歴史を今に伝える重要な施設。ボーア人とイギリス人の間で争われたボーア戦争は他の民族を巻き込み、女性と子供に多くの犠牲を強いるとともに、イギリス人と新たに建国したボーア人の双方に大きな打撃をもたらす結果に終わりました。
南アフリカの20世紀は戦争で幕を開けました。ボーア人はオレンジ自由国と南アフリカ共和国という2つの独立国を樹立しましたが、ケープ地方を支配していたイギリスとの間で戦争が勃発。イギリスの帝国主義とアフリカーナーのナショナリズムの衝突は、国内のあらゆる民族グループを巻き込みながら1899年から1902年まで続きました。
各地に残された数多く戦場跡地の中には博物館を併設している場所もありますが、戦争の全貌を伝えているのがブルームフォンテーンにあるアングロ・ボーア戦争博物館となります。
この博物館では多数のジオラマ、展示品、美術品のコレクションなどを通じて、悲劇的な戦争が起こった背景や当時の情勢を分かりやすく伝えています。
また強制収容所や捕虜収容所といったこの戦争の悪名を高めた要因も交えながら、戦争の始まりから終わりまでの経過を紹介しています。
数千人もの女性と子供が劣悪な環境下に置かれた強制収容所では、多くの命が犠牲となりました。ここで命を落とした人は、敷地内に設けられたウィメンズ・メモリアル(Women’s Memorial)で哀悼されており、正面には南アフリカ出身の著名芸術家アントン・ファン・ワウーによる彫像が設置されています。
アングロ・ボーア戦争博物館ではアフリカーナーの女性と子供たちへの劣悪な待遇を本国に告発したイギリス人活動家エミリー・ホブハウスや、イギリスにインド人のボランティアによる支援を申し出たナタールインド人会議書記長のマハトマ・ガンジーなど、興味深い役割を果たした人物も紹介されています。
ボーア人の降伏により戦争は1902年に終わり、プレトリアのメルローズ・ハウス(Melrose House)にてフェリーニング条約が締結されました。
旅の計画に役立つヒントと情報
◆問い合わせ先
アングロ・ボーア戦争博物館(Anglo-Boer War Museum)
電話:+27 51 4473447/0079
◆アクセス
ブルームフォンテーンはヨハネスブルグから車で約400kmの距離、飛行機なら1時間弱で到着します。ケープタウンからも長距離バス、鉄道、国内線が利用できます。
◆営業時間
平日は午前8時30分から午後4時30分、土曜は午前10時から午後5時、日曜は午後2時から5時まで。
◆周辺のおすすめ
ブルームフォンテーン有数の観光名所として知られるネイバル・ヒル(Naval Hill)からは、足元に広がる街の風景が一望できます。この丘を含むフランクリン自然保護区(Franklin Nature Reserve)にはバッファローやキリンが生息するとともに、観測所を全面改装して開業した劇場が併設されています。
◆交通機関
レンタカーの利用がおすすめ。
◆入館料
大人5ランド、子供2ランド(予告なく変更される場合があります)
◆滞在時間
アングロ・ボーア戦争博物館の見学には2~3時間を要します。
◆宿泊施設
ブルームフォンテーンには数多くのゲストハウスをはじめ、幅広いグレードのホテルが揃っています。
★ご存知ですか?
エミリー・ホブハウスの遺灰はアングロ・ボーア戦争博物館のウィメンズ・メモリアルに安置されています。

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