Spot 南アフリカ観光スポット

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ビッグファイブに出会えるサビサンド私営動物保護区

© Chris Marais

サビサンド私営動物保護区は大型野生動物のビッグファイブ(ゾウ・ライオン・ヒョウ・バッファロー・サイ)サファリに加え、誰もが憧れる高級ロッジがあることで広く知られています。低木が生い茂るこの地域はクルーガー国立公園と隣接し、フェンスが設けられていないため動物たちは古くから残るサビー川沿いの道を自由に行き来しています。

子離れしたばかりの雌のライオンが1頭で明らかに自由を謳歌している様子が伺えます。アフリカの大地に太陽がゆっくりと沈む頃、雌ライオンは大きな猫のように顔を洗い、あくびした後で体を伸ばしてから子供と仲間を探しに行きました。

オープントップの四輪駆動車に乗る観光客を圧倒するそんな光景がサビサンドでは日々繰り広げられています。深く呼吸すると野生の雌ライオンが放つ匂いと車輪に踏まれたワイルドセージの香りに気が付きます。そして案内役を務めるレンジャーは静かな声でライオンの行動を説明しながら、地面に残された足跡を確認して大型動物の追跡を続けます。

夜には運が良ければ捕えた獲物を木枝の間に隠すヒョウの姿や、レンジャーが照らすサーチライトの光に気付かずに、背の高い草原を駆けながら肉眼では捉えられない小動物を追いかけるジャッカルに出会えるかも知れません。

その後の顛末はさておき、ゲームドライブを終えてから観光客がキャンプファイヤーを囲みながら南アフリカ産の極上ワインを片手に夕食を堪能したことは間違いありません。そして夕食後は最高級のリネンに身を沈めながら、遠くに聞こえるハイエナの鳴き声に耳を澄ませます。きっとライオンの唸り声は聞けるでしょうし、赤ん坊の泣き声に似たガラゴの鳴き声も聞けるかもしれません。

これらがグレート・リンポポ・トランスフロンティア公園の一画を構成するクルーガー国立公園南西端に隣接するサビサンド私営動物保護区の魅力。かつてサビサンドとクルーガーの境界を50kmにわたって隔てていたフェンスはとうの昔に撤去され、ビッグファイブをはじめとする野生動物は古くから移動の際に使っていた道を自由に行き来しています。

この保護区(現在の敷地面積は約650平方キロメートル)が定められた1920年代当時、乾燥する冬の数カ月にわたって動物を狩猟できる権利を多くの人が所持しており、これが後に土地の所有権へと移行されました。

2本の川(保護区には2本の川の名前が付けられています)には絶えず水が流れていることから、この地域では年間を通じて美しい野生動物の姿が観察できます。そしてサビサビ(Sabi Sabi)、マラマラ(Mala Mala)、シンギタ(Singita)、ロンドロジ(Londolozi)、ウルサバ(Ulusaba)、チトワチトワ(Chitwa Chitwa)、イドゥベ(Idube)、ライオンサンズ(Lion Sands)、エクセター(Exeter)、ジュマ(Djuma)といった指折りの高級サファリロッジは世界各国の旅人を魅了し続けています。

息をのむほど素敵なインテリアで装飾されたロッジでは、行き届いたサービスとプライバシーの保護、素晴らしい料理、豪華な宿泊施設が約束され、中にはマッサージやアロマセラピー、リフレクソロジーなどが体験できるブッシュスパを併設するロッジもあります。

滞在するロッジを問わず、常駐のレンジャーたちは皆、保護区の隅々まで知り尽くしています。滅多にお目にかかれないヒョウの居場所や、リカオンが子供を潜ませている穴へ案内してくれることもあります。ちなみに現在、保護区内での動物の写真撮影は許可されていますが、ハンティングは禁止されています。

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
サビサンド私営動物保護区(Sabi Sands Game Reserve)
電話:+27 13 735 5102
Eメール:admin@sabisand.co.za

◆アクセス
ヨハネスブルグからチャータ便が利用できます。多くの高級ロッジでは専用の飛行場を所有しています。ムボンベラ(ネルスプロイト)近くのクルーガー・ムプマランガ国際空港からのシャトル便の利用も可能。車で向かう場合、ヨハネスブルグ/プレトリアからN4号線を東へネルスプロイトまで進んだ後、R40号線を北上しながらホワイトリバーを経由してヘイジービューへ向かいます。クルーガー国立公園へどのゲートから入るかによりますが、所要時間は5〜7時間となります。

◆ベストシーズン
季節毎の魅力が楽しめますが、草がさほど茂っておらず、降雨後の水たまりに動物たちが集まる初春から夏(8〜11月)にかけてが動物観察(子供も含め)に最適のシーズン。気温が上昇し暑さが厳しい真夏(12〜3月)に比べると気候が穏やかな冬(4〜8月)も動物観察に適しています。

◆周辺情報
周辺にはクルーガー国立公園、ブライデ・リバー・キャニオン、絶景スポットで知られるゴッズウィンドウ、眺めの良いたくさんの滝も、そう遠くないところにあります。

◆滞在時間
ビッグファイブに出会えるチャンスは最低2泊すれば十分にあります。この場所にも慣れてのんびり過ごせます。

◆服装&持ち物
常にカーキ色のサファリウェアを着る必要はありませんが、動物保護区内を通るときには蛍光色や明るい白色のものは身に着けないように心がけること。双眼鏡は持参すること。カメラはバッテリーをフルに充電し、十分な容量のメモリーカードを用意すること。朝晩に冷え込む冬には暖かい衣類(昼間の気候は穏やか)、日焼け止め、帽子、虫除けを忘れずに。

◆おすすめのイベント
動物観察ツアー、夜のドライブ、バードウォッチング(300種以上の鳥類が棲息しています)、徒歩での動物観察などが体験できます。ゲストに対応するスタッフ数が多いので、t再在中はかゆいところに手の届くようなきめ細やかなサービスが期待できます。

★ご存知ですか?

サビサンドは南アフリカで最も古くからある私営動物保護区です。1948年に正式に開設されました。