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クルーガー国立公園で開催されるスククーザ・ハーフマラソン

© Kruger Park Marathon Club

クルーガー国立公園は多くの野生動物が生息するアフリカ有数の自然保護区として知られています。広大な敷地にはレストキャンプが点在しており、その中で最大規模を誇るスククーザでは毎年、レストキャンプを拠点にユニークなハーフマラソン大会が催されています。

野生の王国を駆け抜けるユニークなレース開催に際しては、サファリの案内人であるレンジャー部隊がスタートの2時間前からレース参加者の安全確保のためにパトロールを開始。夜明け前の暗いコース上を車や徒歩で巡りながら、レースの妨げとなる大型動物の群れの存在を確認するとともに発見した場合にはコース近辺から追い払います。さらに南アフリカの国立公園を管理するSANParksもヘリコプターを操りながらゾウやサイ、ライオンがコースに近づかないよう上空で監視しながらレース参加者を見守ります。

レースは南半球の8月に開催されることから気温はさほど上がらず、汗ばんだ身体を冷やす心地よい風が吹く気候の下で繰り広げられます。1,000人もの競技参加者はスタート地点となる「Village Green=緑の村」に集まり、午前8時半のライオンの雄叫びを合図にスタート。規定のコース2周で争われるハーフマラソンのコースは舗装されたアスファルトはもちろん、低木が茂るブッシュや、砂利道など変化に富んでいます。急な登り坂などアップダウンの起伏も激しく、多くの参加者は「厳しく手強いコース」と口を揃えて言います。

コースは丘を越え、ダムの脇を通り、ゴルフ場を走り抜けるといった設定に加え、移送前のゾウやサイ、バッファローといった大型野生動物を一時的に収容する“ボマ”と称された施設の外壁に沿って6km走るといった区間もあります。またクルーガー国立公園でのレースらしく、一部の区間ではランナーを黙って凝視するインパラやイボイノシシ、バブーンなどと出会う場面にも遭遇します。

給水地点はコース上の随所にありますが、ゴール付近に設けられた最後の給水ポイントでは大会スポンサーであり南アフリカを代表するビール、キャッスルラガー(Castle Lager)を有するSABが協賛。“水のトンネル”を設置してランナー達の火照った身体をクールダウンするという粋な計らいが用意されます。

ランニング愛好家にとってサファリのメッカで催されるスククーザ・ハーフマラソンは、一生の思い出として心に刻まれる貴重な体験になることまちがいなし。なおレースでは安全確保の観点から、スタートから4.5km地点で35分、14/15km地点で2時間のカットオフポイントが設けられています。クルーガーパーク・マラソンクラブが主催するスククーザ・ハーフマラソンに関する詳細はhttps://www.krugerparkmc.co.za/(英語のみ)で案内されています。