ウィリアム・ハンフリーズ美術館
キンバリーのウィリアム・ハンフリーズ美術館には南アフリカで最も貴重な美術品が所蔵されているのと同時に、多数の海外作品が南アフリカ芸術の1世紀にわたる歩みを伝えるコレクションに華を添えています。コレクションには現代の最も有名な国内アーティストによる陶器、彫刻、絵画作品などが並んでいます。
キンバリーはダイヤモンドで世界的にその名を知らしめていますが、北ケープ州にあるこの街には、ダイヤモンドとは別の南アフリカの大切な宝物、ウィリアム・ハンフリーズ美術館が設けられています。
この美術館に所蔵されているコレクションは長い年月を費やして、海外の作品を中心とした小規模なものから、南アフリカの歴史において極めて重要な意味を持つ作品を集めた貴重なコレクションへと発展を遂げています。
この美術館の設立は高名なキンバリーの住民であるウィリアム・ハンフリーズが所有していた芸術作品、家具、美術品の一部をキンバリー市民に寄付したことに由来しています。ハンフリーズの遺産(Humphreys Bequest)とも称されるこの初期のコレクションは、ヨーロッパとイギリスの絵画や家具、古典彫刻の複製品で構成されていました。
ウィリアム・ハンフリーズの死後、家族からハンフリーズ・コレクションを受け継いだデ・ビアスは、美術館へコレクションを無期限で貸出すとともにコレクションの拡充を進めました。
ハンフリーズ・コレクションを主要な展示作品としていたキンバリー美術館は、やがて南アフリカの芸術作品のコレクションに注力するようになり、マックス・グリーンバーグ博士が個人的に収集していた南アフリカの芸術作品を含む貴重なコレクションが加わりました。
この他にもウィリアム・ハンフリーズ美術館には、デ・ビアスから貸与されているティムリン・コレクション(Timlin Collection)や南アフリカの芸術作品を借り集めた小規模なコレクションなどを揃えています。
中でも注目はスターン(Stern)、ファン・ワウー(Van Wouws)、ピアネーフ(Pierneef)、ブーンザイアー(Boonzaier)による作品。これらの作品は南アフリカの芸術史における重要なムーブメントの記録として、過去100年以上にわたるこの国の歩みを独自の視点で捉えています。
ウィリアム・ハンフリーズ美術館にはフランス、ドイツ、フランドル、イギリス、イタリアの巨匠による250点ものオリジナル絵画や彫刻のほか、ヨーロッパと東洋の磁器で構成されているメイヤー・コレクション(Meyer Collection)なども所蔵されています。
ウィリアム・ハンフリーズ美術館では現在、民族史学関連のコレクションや伝統的文化遺物などを含めた南アフリカの芸術作品の収集を優先したコレクションの拡充に努めながら、南アフリカ出身の現代アーティストの作品を中心としたダイナミックな展覧会などを開催しています。
旅の計画に役立つヒントと情報
◆問い合わせ先
ウィリアム・ハンフリーズ美術館
電話:+27 53 831 1724/5
Eメール:info@whag.co.za
◆アクセス
ウィリアム・ハンフリーズ美術館はキンバリーの中心、カリナン・クレセント(Cullinan Crescent)にあるシビック・センター(Civic Centre)に併設されています。キンバリーの空港へは南アフリカ国内の主要都市から定期便が運航されています。
◆ベストシーズン
営業時間は月曜から金曜日が午前8時から午後4時45分、土曜日は午前10時から午後4時45分、日曜・祝日は午前9時から正午まで。美術館は聖金曜日とクリスマスは休館となります。
◆周辺の見どころ
美術館に併設されている美しい庭園の散策やキンバリー鉱山博物館(Kimberley Mine Museum)とそれに隣接する有名なビッグ・ホール(Big Hole)、キンバリー中心部での歴史探索などがおすすめで。
◆ツアー
美術館ではガイドの案内によるツアーが催行されています。
◆料金
大人5ランド、子供2ランド。
◆食事
美術館に隣接するパレット・ティールーム(Palette Tea Room)は年中無休で営業し、朝食、ランチ、アフタヌーンティーが楽しめます。
◆イベント
美術館に併設されているフィルムアーカイブとスタディセンターはアフリカ映画を専門とする施設で300本以上のアフリカ映画を揃えています。
◆おすすめの買物アイテム
美術館では地元のコンテンポラリーアート作品が販売されています。詳しくは美術館のウェブサイトで確認してください。
★ご存知ですか?
ウィリアム・ハンフリーズ美術館は地元において、映画をビジュアルアートの一部として取り扱った最初の美術館です。