二つの大海沿いのタフなコースで争われる ツーオーシャンズ・マラソン
アフリカ大陸の南端に位置するケープタウンで毎年、イースターの週末に開催される「ツーオーシャンズ・マラソン」は、大西洋とインド洋という二つの大海沿いをたどるコースで競われることから、世界一の美しさを誇るマラソンレースとして広く知られています。
マラソン大会を形容するには少し大げさに聞こえるかもしれませんが、ケープタウン一帯は“Floral Kingdom=花の王国”として世界遺産にも登録されており、ケープ半島の海岸線から望む二つの大海と険しい岩山の景観が楽しめると言えば、納得いただけるのではないでしょうか。
風光明媚なドライブルートとして人気のチャップマンズ・ピークドライブを走る際には、固有種のフィンボスや海を泳ぐイルカや釣り船、サーフィンを楽しむ人々などが次々とに目に入ってくるので、コース上に目線を留めておくのはまず無理。
雄大な自然が織りなす景観が楽しめる「ツーオーシャンズ・マラソン」は1970年から開催されており、世界各国からおよそ7,000人ものランナーが56kmのウルトラマラソン、さらに12,000人が21 kmのハーフマラソンを競います。
本格的なランナーにとってはタフなレースでもあり、歴代の優勝者にはロシアやアフリカ大陸の国々からの選手が名を連ねています。南アフリカで有名な「コムラッズ・マラソン」で黒人選手として史上初の優勝を果たしたヴィンセント・ラカベレは1976年の「ツーオーシャンズ・マラソン」で伝説のランナーと言われるアラン・ロブ選手を破って見事に優勝を獲得しています。
「ツーオーシャンズ・マラソン」はイースターのメインイベントとして開催されていますが、ホリデー期間中にはトレイルラン、子供と一緒に参加できるファミリー・ラン、5キロのコースで争われるインターナショナル・フレンドシップランなども催されています。インターナショナル・フレンドシップランはメインイベントの前日に開催され、2010年のサッカーW杯の会場となったケープタウン・スタジアムをはじめシーポイント・プロムナード、グリーンポイント・パーク、ムイルポイント灯台といった市内の名所を巡るコースが楽しめます。
次の大会で56キロのウルトラマラソンには自信がなくても、ハーフマラソンのレースに挑戦してみてはいかがでしょう。一生の思い出となるに違いありません。
★ご存知ですか?
南アフリカの地元ランナーの間ではツーオーシャンズ・マラソンはコムラッズ・マラソンに向けてのトレーニングとされています。