南アフリカ観光局は、5月16日に開幕したアフリカ最大のトラベルトレードショー「インダバ2017」において、「I Do Tourism」と題した新たなキャンペーンによる取り組みを開始した。同キャンペーンでは観光産業の重要性の認識を広めるとともに、南アフリカと観光産業の発展を後押しする支持者としての役割を果たすことを南アフリカ国民に対して提唱していく。

南アフリカ観光局のシサ・ンツォーナ最高経営責任者（CEO）は今回のキャンペーンの狙いについて、南アフリカにおける観光産業の経済的および社会的価値の認識を深めることにあるとした上で、「観光は広範な分野への波及効果をもたらす潜在力を備えている。観光業が創出する一つひとつの直接的雇用は輸送業や農業など、様々な産業セクターで広く好影響を生み出す」と述べている。

「I Do Tourism」では南アフリカの経済発展に大きく貢献する観光産業の重要性を唱えると同時に、観光関連分野で活躍する人々による体験談の共有を図りなが ら、市民の間での関心を高めていく。新たなキャンペーンでは国内旅行者と旅行提唱者を喚起することに加え、旅行業界関係者に対しても質の高い仕事を継続す るためのモチベーションを高め、政府関係者やその他の利害関係者の間においても、観光産業を支援することの重要性の認識を深めていく取り組みを展開する。

南アフリカ経済全体における観光産業の貢献は3%で約50万件の雇用を創出しているものの、過半数の南アフリカ国民は、外国から旅行者が訪れること によって生じる生活への影響、また自らが旅行に出かけることが国民の生活レベルの向上に繋がるという認識がない。多くの南アフリカ人は、未だに旅行ができ る環境にないことから、旅行は他人事であって自分達の日々の生活には何ら関係ないと思っている。

ンツォーナCEOは「観光に対するこのような姿勢を、今回のキャンペーンで変えていきたい」と述べ、キャンペーンにおける３つのメッセージを説明。 「一つ目は、観光によって生み出される利益は全ての国民が享受できることから、国民一人ひとりが果たすべき役割を担っている産業であり、このことの周知徹 底を図ることが我々の目的である。観光は様々な面で市民の生活レベルの向上に寄与している。南アフリカ国民として我々全員が観光産業の拡大と成長を通じ て、何らかの利益を得られることからも、観光への支援の輪を広げていくための取り組みは極めて重要であると考えている。観光の持続的成長は全ての国民に利 益をもたらす」と述べた。「二つ目は、今回のキャンペーンでは旅行することによって生み出される経済効果は観光産業にとどまらず、農業（訪問者への食事を 提供）や輸送業（旅行者への移動手段を提供）など、南アフリカにおけるほとんどの産業セクターにもおよんでいる事実についても訴求していく」と言及し、 「最後に強調したい点は、観光は国家の成長と発展に不可欠な産業であることから、観光産業を可能な限り支援することは国民の義務でもあり、一人ひとりが南 アフリカ経済に貢献することに繋がる」と説明した。

ンツォーナCEOは、「最終的目標は『I Do Tourism』を通じて、南アフリカ国民が旅行関連分野での雇用機会を捉え、仕事を通じて観光産業を支えていくことにあるが、そうでなくとも単純に訪れ る旅行者を歓迎したり、道案内や地元の見どころを指南するなど、簡単な手助けをすることでも支援してもらいたいと願っている。観光産業の発展は国民全員を 潤すことになるのだから」と締めくくっている。

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