Spot 南アフリカ観光スポット

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ドンキン・ヘリテージ・トレイル

ポートエリザベスのネルソン・マンデラ・ベイ都市圏(Nelson Mandela Bay Metro City)にあるドンキン・ヘリテージ・トレイル(Donkin Heritage Trail)は、主に街の中心部に残る遺産を巡る歴史街道で、アルゴア湾(Algoa Bay)の沿岸に到着した初期のイギリス人入植者の歴史を物語るビクトリア朝時代の建築物や記念碑が多数含まれています。

東ケープ州ポートエリザベスのドンキン・ヘリテージ・トレイルへの出発前に、素敵なラブストーリーをご紹介します。

南アフリカ人の間で「PE(ピーイー)」とも呼ばれるポートエリザベスの名称は、ケープ植民地時代のラフェイン・ドンキン総督が愛した妻の名前に由来しています。エリザベスとラフェインは見合い結婚が多かった時代に巡り合った薄幸の恋人たちで、結婚直後にエリザベスは夫とともに夫の派遣先のインドへと旅立ちました。

エリザベスは息子ジョージ・デビッドを出産して間もなく他界。悲しみにくれたラフェインは妻の思い出を抱いて、幼い息子と一緒にイングランドへ向かいました。ところがケープタウンに立ち寄った際に南アフリカでの新たな任務を命じられ、到着したばかりの入植者1,820人を監督するためにアルゴア湾へと派遣されました。

ラフェインは入植者たちが上陸した場所にエリザベスの名前を授けるとともに、丘の上にエリザベスを追悼するピラミッドを建造。現在、この地域はドンキン保護区(Donkin Reserve)と呼ばれています。そしてその20年後、イングランドに戻ったラフェインはエリザベスの命日に自らの命を絶ちました。

この不幸なラブストーリーを主要な構成要素としているドンキン・ヘリテージ・トレイルは、ゴーバン・ムベキ通り(Govan Mbeki Avenue)から出発します。ここには中央図書館(Main Library)、市庁舎(City Hall)など、1800年代半ばに完成した貴重な建築物や、より最近に建てられたフェザーマーケット・センター(Feathermarket Centre)などが並んでいます。観光ガイドにプレスター・ジョンの彫像について尋ねたら図書館の外で、シシリア産大理石で象られたビクトリア女王の彫像から放たれる険しい視線を浴びてみてください。

以前にPEを訪ねたことがあれば、中心部の一画のスラム化によって街の魅力が損なわれているのを記憶されているかと思います。しかし様々な方策を駆使して再開発を進めることで、豊かな歴史に恵まれたポートエリザベスは生まれ変わり、外壁の塗り替えなどによる修復作業の結果、本来の美しい姿を取り戻しています。

全く同じ外観の18棟が立ち並ぶビクトリア様式の洗練されたテラス付き住居の修復も終えるとともに、ドンキン保護区は幸運をもたらす新たな住民を迎えました。それは選挙の投票所へと向かう人々の姿を金属を切り抜いて型どった『ボーティング・ライン(Voting Line)』と称される彫像で、列の中には歓喜に満ちたネルソン・マンデラもいます。ネルソン・マンデラ・ベイ観光局はドンキン灯台(Donking Lighthouse)のふもとに観光案内所を設けており、親切なスタッフが観光客を暖かく迎えています。

ドンキン保護区周辺はポートエリザベスで最も人気のある緑地で、市内最古の建築物であるフレデリック城砦(Fort Frederick)や、プリンス・アルフレッド護衛隊訓練所(Prince Alfred’s Guard Drill Hall)のほか、数多くの大聖堂や教会、ロンドン風のハブロック広場(Havelock Square)、入植者用の家屋や昔ながらの古典的なホテルがあり、現在でも一部で営業が続いています。

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
アラン・ツアーズ(Alan Tours)
電話:+27 41 378 1486
携帯電話:+27 72 358 4634
Eメール:info@alantours.co.za

カラバッシュ・ツアーズ(Calabash Tours)
電話:+27 41 585 6162
携帯電話:+27 84 552 4414
Eメール:paul@calabashtours.co.za

◆アクセス
中心部のドンキン灯台のふもとにあるネルソン・マンデラ・ベイ観光局で「ドンキン・ヘリテージ・トレイル&リッチモンド・ヒル・トレイル(The Donkin Heritage Trail & Richmond Hill Trail)」の観光パンフを入手しましょう。ツアーはゴーバン・ムベキ通り(Govan Mbeki Avenue)を起点に、灯台へと向かう道のりの周辺を巡ります。パンフレットは50ランド足らずで、地図と歴史的名所の説明が詳しく紹介されています。

◆ベストシーズン
トレイルは並木道になっており、季節を問わず明るく晴れ上がった日、特に風のない時間帯に訪れるのがベスト。

◆周辺のおすすめ
ポートエリザベス周辺には素晴らしいビーチやサファリロッジが点在するとともに、郊外にも豊かな歴史を誇る街や名所が数多くあります。

◆おすすめのツアー
ポートエリザベスのタウンシップツアーとアドゥー地方への日帰り旅行。

◆周辺の散策
ガイドを手配しなくても、徒歩で散策が楽しめます。所々に急な坂道があるので、街を探索する際には時間の余裕を見て丸1日を費やして、のんびり気ままに楽しみましょう。

◆料金
ドンキン・ヘリテージ・トレイル自体は無料ですが、ガイド料は1日一人あたり約500ランドとなります。

◆滞在時間
ポートエリザベス中心部の探索には丸1日を確保してください。

◆持ち物
歩きやすいスニーカーと、カメラ、軽量のレインコート、飲料水、ガイドブックなどをデイパックに詰めておきましょう。

◆宿泊施設
ポートエリザベスには快適な宿泊施設が数多く揃っています。ネルソン・マンデラ・ベイ観光局のウェブサイトで確認してください。

◆食事
心地よい1日のスタートを切りたければ、ドンキン灯台のレストランで真心のこもった朝食がおすすめ。手頃な価格で美味しい食事を満喫できます。

◆おすすめのイベント
ポートエリザベスでは年間を通じて様々なイベントが開催されています。詳細はネルソン・マンデラ・ベイ観光局のウェブサイトで案内されています。

◆買物のおすすめ
街の中心を通るピアソン・ストリート(Pearson Street)のレモン・ツリー・ファクトリー・ショップ(Lemon Tree Factory Shop)では、散歩の途中に挽きたての焙煎コーヒーが味わえます。

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★ご存知ですか?

フレデリック城砦は、マザー・グースが作った人気の歌『勇ましいヨークの将軍』にちなんで命名されました。