Spot 南アフリカ観光スポット

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バトルフィールド・ルートで歴史を辿る

写真提供 www.cheznousbb.com

フリーステート州のバトルフィールド・ルート(Battlefields Route)では南アフリカの歴史上で最も苛酷な戦いが繰り広げられた舞台への小旅行が楽しめます。歴史や軍史愛好家ならブルームフォンテーンを拠点に、血と汗と涙にまみれた南アフリカ戦争(アングロ・ボーア戦争)の足跡を辿る追体験が楽しめます。

歴史の旅の起点はブルームフォンテーンのアングロ・ボーア戦争博物館(Anglo-Boer War Museum)。まずはこの博物館で南アフリカ戦争の概要を把握したうえで、混乱期に残された数百点におよぶ興味深い遺品を見てみましょう。

1899年10月11日に開戦を迎えた南アフリカ戦争は1902年5月まで続きました。クワズールー・ナタール州における一連の戦いでボーア人が勝利を収めると、イギリスは圧倒的規模の増援部隊を派遣してフリーステート州に点在するボーア人の軍事拠点を包囲しました。

そして1900年のフリーステート州における戦いは、その後の戦況に大きな影響を与えることになりました。

時系列に沿って戦場を巡るならパールデバーグ(Paardeberg)、ポプラー・グローブ(Poplar Grove)、ドライフォンテーン(Driefontein)、サナスポス(Sannaspos)、モスターツフック(Mostertshoek)、ジャマーバーグドリフト(Jammerbergdrift)、サンド川(Sand River)、ビダルフスバーグ(Bidulphsberg)、ヨーマンリー・ヒル(Yeomanry Hill)、ルーデワル(Roodewal)、サレンダー・ヒル(Surrender Hill)、ドーンクラール(Doornkraal)、グルーンコップ(Groenkop)の順に回ります。

劣勢に追い込まれた末にボーア人は南アフリカ戦争の敗者となりましたが、フリーステート州の戦いでは、イギリス軍にも大勢の兵士が戦死したことを手柄として証言するボーア軍兵士たちの存在も明らかになっています。

例えば1900年4月3日から4日にかけて繰り広げられたモスターツフックの戦いでは、イギリス軍に591人の犠牲者が出た一方で、ボーア軍の犠牲者は6人に留まりました。

この戦争に関連する博物館、彫像、記念碑、墓地などは、この地で展開された過酷な戦闘を今に伝えています。各地の戦場跡を訪ねると、両軍の兵士が過ごした厳しい日々の様子をより詳しく知ることができます。

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
アングロ・ボーア戦争博物館
電話:+27 51 447 3447

◆アクセス
バトルフィールド・ルートの旅はブルームフォンテーンを拠点にするのが最も便利。ブルームフォンテーンへは南アフリカの主要空港から定期便が運航されています。

◆地域周辺
バトルフィールド・ルートへはツアーが催行されていますが、レンタカーを利用して自分のペースで自由に見て回ることもできます。

◆滞在期間
戦争の歴史をどこまで詳しく掘り下げるかによって、必要な期間が3日から2週間までと異なります。

◆持ち物
戦場跡の散策には歩きやすいウォーキングシューズが便利。日焼け止めと帽子も忘れずに用意すること。レンタカーを利用する場合はフリーステート州の詳細な地図を揃えておくと役立ちます。

◆宿泊施設
バトルフィールド・ルートへの旅に便利な拠点であるブルームフォンテーンには様々な宿泊施設が揃っています。

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★ご存知ですか?

軍事用語として使われる「コマンド」は、敵陣の背後で優れた能力を発揮した「kommando」というボーア語に由来しています。