Spot 南アフリカ観光スポット

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ニルスフレイで野鳥観察

南アフリカのニルスフレイ自然保護区(Nylsvley Nature Reserve)での野鳥観察はとにかく圧巻。この保護区は南アフリカ最大の内陸氾濫原の大部分を占めており、最も水位が上昇する夏には160平方キロメートルもの広さにおよびます。広大な氾濫原は3~4年に1回のペースで氾濫し、南アフリカに生息する水鳥にとって貴重な環境であることから、ラムサール条約の登録湿地となっています。

多い時で8万羽もの鳥が観察できるニルスフレイは、ケープシロエリハゲワシの国内最大の繁殖地でもあります。この地域は珍しいキノドサケイが観られるリンポポ州で唯一の場所でカオジロサギ、ショウノガン、アフリカチュウノガンなども生息しています。果てしなく広がる空間では壮麗な自然景観も楽しめます。ここはヨハネスブルグのO.R.タンボ国際空港にもほど近く、マラリア感染の心配が要らない地域でもあることなども魅力の要因となっています。

南アフリカの7つの生物群系には850種以上もの鳥類が生息しており、その多くが固有種。南アフリカがバードウォッチングの目的地として人気を集めるのも当然で、国内でもバードウォッチング愛好家による比較的大規模なコミュニティが形成されています。

40平方キロメートルにもおよぶニルスフレイ自然保護区には、希少なコビトサギやクロアマサギをはじめ約370種もの鳥類が生息しています。ニルスフレイ地域で観測されている365種の鳥類のうち104種は水鳥で、そのうち87種は水位が上昇する年に繁殖しています。特に注目すべきはコビトサギ、サンカノゴイ、15種類のカモとガチョウ、アフリカムラサキバン、ヒメバン、7種類のクイナですが、これらはほんの一部に過ぎません。

周辺の環境もニルスフレイでの野鳥観察に魅力を添えています。アカシアの低木林では乾燥地に生息する鳥類が多数見られるとともに、クルーガー国立公園(Kruger National Park)の西側のカラハリ(Kalahari)地域と東側のサバンナ地域では異なる種類の鳥が観察できます。水鳥のほか、ニルスフレイ周辺の低木地帯では8種類のフクロウの生息が観測されており、希少種とも出会える驚きのバードウォッチングが楽しめます。200種以上の鳥が生息するこの低木地帯では、運さえ良ければ美しいミドリヤブモズやハジロアカハラヤブモズに遭遇できるかもしれません。

この氾濫原は南アフリカ最大の都市であるヨハネスブルグの北に位置するという便利な地理的条件から、週末の利用や日帰りなど柔軟にバードウォッチングの小旅行を計画できます。5カ所に野鳥観察舎が設置された保護区内にはゲームドライブ用のコースが走り巡らされるとともに、自由に歩き回ることも可能となっています。

19世紀に湿地で起こった大規模な洪水により、フォールトレッカーズの入植者たちはナイル川に到達したと勘違いし、ナイル川にちなんでこの場所をニルスフレイと名付けたのです。ニルスフレイではローンアンテロープやササビーなどの珍しい哺乳類も観察できますが、やはり価値があるのはバードウォッチング。雨季の湿地は希少種と出会える最高の場所になります。

氾濫原は最も多いストレートフィンバルブをはじめ300〜600トンもの魚をエサとして供給しており、カモやサギ、シラサギなども多く集まってきます。

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
フレンズ・オブ・ニルスフレイ(Friends of Nylslvey)
電話:+27 12 667 2183
Eメール:friendsnylslvey@mweb.co.za

リンポポ州観光局・公園予約センター(Limpopo Tourism & Parks Reservations)
+27 15 290 7339
Eメール:info@golimpopo.com

ニルスフレイ観光案内所(Nylslvey Information)
電話:+27 14 743 1074

◆アクセス
ニルスフレイ自然保護区はN1号線沿いに位置しています。ヨハネスブルグとプレトリアから北へ2時間ほどの便利な場所にあります。

◆ベストシーズン
南半球の夏の終わりが最もおすすめ。平原では他の地域での水が干上がる頃に遅れて洪水が発生するため。

◆周辺のおすすめ
この地域には素晴らしいゴルフ場が多数あります。

◆周辺の散策
ニルスフレイ自然保護区には5つの野鳥観察舎と野生動物観察のための道路が張り巡らされています。ハイキングコースも整備されており、訪問者は踏みならされた道から外れて自由に歩き回ることも許可されています。

◆料金
入場料は1人約15ランド、車1台につき25ランド。自然保護区へのメイン入口で支払います。その際に保護区の奥にある野鳥観察舎への鍵を受け取ることになります。宿泊施設の料金はとても手頃でキャンプ場なら30ランド、豪華な宿泊施設でも一人600ランド程度。

◆おすすめの滞在期間
ニルスフレイへは日帰りも可能ですが、氾濫原と周辺の低木地帯は数日を費やすのにぴったりの旅行目的地です。

◆持ち物
双眼鏡、鳥のガイドブックをお忘れなく。

◆宿泊施設
ニルスフレイ自然保護区には手頃な料金で泊まれるキャンプ場とロッジが併設されています。また、この地域には野鳥愛好家にとって嬉しいゲストハウスが数多くあります。

◆おすすめのイベント
ニルスフレイでバードウォッチングが最も楽しめるのは雨季(夏)ですが、冬の日でも集中して観察を続けていると、とても興味深い鳥に出会えます。

★ご存知ですか?

バードライフ南アフリカ(Birdlife South Africa)ではニルスフレイを重要な野鳥生息地に指定しています。