Spot 南アフリカ観光スポット

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リヒタースフェルドの文化的・植物的景観

胸の奥に響く荒れ果てた砂漠の風景に惹かれる方なら、アイアイ・リヒタースフェルド・トランスフロンティアパーク(/Ai /Ais-Richtersveld Transfrontier Park)を擁するリヒタースフェルドの文化的・植物的景観は必見です。

独特な雰囲気が漂うこの場所には小さな多肉植物や巨大なアロエ、リビアヤマネコやレイヨウ、希少な野鳥が多数生息し、豊かな生態系を構築しています。そして、ここは遊牧民のナマ族が領有権を主張する、南アフリカで数少ない場所のひとつに数えられています。

アイアイ・リヒタースフェルド・トランスフロンティアパークは、先住民ナミ族と南アフリカ国立公園局が共同管理するリヒタースフェルト国立公園(Richtersveld National Park)とナミビアのアイアイ温泉動物公園(Ai-Ais Hot Springs Game Park)を統合し、南アフリカとナミビアの国境を挟んで設けられた自然保護区。この一画にあるリヒタースフェルドの文化的・植物的景観はユネスコの世界遺産にも登録されている豊かな生物多様性の宝庫であり、世界屈指の豊かな多肉植物の植物相を誇っています。

この多肉植物の植物相こそがリヒタースフェルドの文化的・植物的景観における最大の特徴で、中でも最も有名な固有種はハーフマンと呼ばれる多肉茎植物と巨大なアロエ・バルベラエ。これらの植物を含む数千種もの植物は、地元で「Malmokkies」と称される早朝の霧によって生命を維持しています。この霧は大西洋からの水分を運んでいるのです。

見どころは希少な植物相だけに留まりません。野生動物も驚くほどに興味深く、暑く乾燥した気候に適応する方法を見つけてきました。オレンジ川(Orange River)沿いの緑生い茂る地域に集まる動物は哺乳類が50種以上、鳥類は200種にものぼり、驚異的な自然の魅力を魅せてくれます。

コカーブームクルーフ(Kokerboomkloof)で発掘された骨から、現在この地に生息するスプリングボック、シマウマ、クリップスプリンガーなどは4,000年以上も前から存在していたことが判明しています。その他、見るからに生存するのが厳しいこの地域の環境に適合したトカゲやヘビも生息しています。

その名に示されたとおり、景観そのものの素晴らしさも特筆すべき見どころのひとつ。アイアイ・リヒタースフェルド・トランスフロンティアパークには世界で2番目に大きい峡谷であるフィッシュリバー・キャニオン(Fish River Canyon)があります。美しいフィッシュリバー沿いの砂漠には曲がりくねった壮麗な崖の道が続く美しい光景が広がっています。

公園を織りなす地形には20億年前からの様々な時代を経て形成された地層が見られ、古代から地球がどのように形成されたかという壮大な歴史を伝えてくれます。またオレンジ川の河口は国際的に貴重な湿地としてラムサール条約登録地に指定されています。

この南アフリカの心臓部は多彩な魅力を放っています。そして、この独特な自然環境に適応した生物たちは、世界で唯一の乾燥地帯にある生物多様性ホットスポットを形成しています。

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
アイアイ・リヒタースフェルド・トランスフロンティアパーク
電話:+27 27 831 1506(受付)
Fax:+27 27 831 1175
Eメール:louisa.links@sanparks.orgcarmen.carstens@sanparks.org

◆アクセス
リヒタースフェルド・トランスフロンティアパークへの近道はN7号線沿いのステインコフ(Steinkopf)から脇道へ入り、ポートノロス(Port Nolloth)とアレキサンダーベイ(Alexander Bay)を経由して公園に向かう道のり。

◆ベストシーズン
アイアイ・リヒタースフェルドの気候は寒暖が極端で、特に真夏の暑さには注意が必要。そのため4〜9月の涼しい時期がおすすめ。アクティビティを楽しむなら早朝か夕方にしてください。夏の夜は涼しくなりますが、冬の夜は非常に寒くなります。

◆ツアー
砂漠の開花期の景色は圧巻。開花期の訪れは降雨のタイミングに左右されますが、一般的に6〜10月。4〜9月にはバードウォッチングやガイド付きトレイルなどが楽しめます。

◆周辺情報
公園内の移動には四輪駆動車が必要ですが、車高の高い乗用車でも公園に入ることができます。一般的なセダンでは公園に入れません。

◆滞在期間
この公園の魅力を堪能するには少なくとも1週間は必要。

◆持ち物
十分な飲料水とガソリンを常時備えておくことが重要。ディーゼルとハイオクガソリンはセンデリングスドリフ(Sendelingsdrif)で給油できますが、無鉛ガソリンは80km先のアレキサンダーベイまでありません。公園内にごみを残すのは禁止されているので、ビニールのごみ袋を必ず用意すること。虫除け、日焼け止め、帽子、サングラスも必需品です。

◆宿泊施設
予算に応じて幅広い宿泊施設の選択肢が揃っています。四輪駆動車のレンタカー代なども考慮して綿密に計画を立てることが重要。公園には簡素なキャンプ場から付帯設備も充実したセンデリングスドリフのレストキャンプまで、数多くの宿泊施設が用意されています。

◆食事
ツアーに参加しない限り、公園では自炊しなければならないので、十分な食料と飲料水を持参する必要があります。センデリングスドリフには小さな雑貨店がありますが、平日のみの営業となります。

◆イベント
センデリングスドリフからは平底のポンツーン船に乗って、ナミビアのアイアイ温泉リゾート(Ai-Ais Hot Springs Resort)まで足を延ばせます。

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★ご存知ですか?

リヒタースフェルドにはおよそ2,440種もの固有種を含め、6,350種以上の維管束植物が生息しています。