ホエールウォッチング

南アフリカのホエールウォッチングで広く知られるハーマナスをはじめ、ガーデンルートやワイルドコースト沿いに点在する豊かな自然に恵まれた街では、ありのままの自然環境下に生息する巨大なクジラの姿をボートの上や陸上から観察することができます。

ホエールウォッチングを満喫できるのは毎年6月から11月。この期間、ケープ地方の南部沿岸ではミナミセミクジラの姿を頻繁に見ることができます。

ウォーカーベイを望むハーマナスは陸上からでもホエールウォッチングを楽しめる世界最高のスポットとして知られており、クジラを観察するためにボートに乗る必要はありません。ミナミセミクジラは海岸線まで近づいてくることも多く、時には岸からほんの数メートルの地点に姿を現わすこともあります。

ホエールウォッチングの醍醐味と言うと、ミナミセミクジラによる大迫力の水中アクロバットが頭に浮かびますが、ザトウクジラやミンククジラ、ニタリクジラ、さらにはシャチの優雅な姿を眼にできる機会も多くあります。クジラの見分け方などは資格を有したガイドが教えてくれます。

ホエールウォッチングに最適なのは風がなく晴れ渡った日。注意を払って観察していただきたいのは潮吹き。潮吹きはクジラ出現の最初の予兆となります。陸上からクジラを観察できる場所にはハーマナスの他にもガーデンルート沿いのプレッテンバーグベイやアルゴアベイ、ワイルドコースト沿いの街などがあります。これらの街ではボートで海に出てホエールウォッチングを楽しむこともできます。ツアー用のボートにはクジラに近づくための特別な免許が付与されており、法で定められた距離の範囲でクジラに近づくことが許されています。好奇心旺盛なクジラは一旦接近すると、自らボートに近づいてきてくれることもあるとか。

ホエールウォッチングで最も有名なのはハーマナスですが、ケープタウンにほど近いフォルスベイやガンズバーイ、モッセルベイ、また大西洋に面したウェストコースト沿いのストランドフォンテーンやランバーツ・ベイ、エランズ・ベイ、セントヘレナ、サルダーニャ、イスターフォンテーンといった街からもホエールウォッチングを楽しむツアーが催行されています。

ケープ半島の周辺やアグラス岬にかけての南部沿岸でも、優雅なクジラの姿を眼にすることができます。アフリカ大陸最南端であるアグラス岬では、生まれたばかりのミナミセミクジラの子供が親とじゃれあう様子が観察できるスポットとして知られ、多い時には50組にも達する親子のペアを見ることができます。