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リリーズリーフ・ファーム:自由のために戦った指導者たちのアジト

一見ただの農場にしか見えないヨハネスブルグ郊外リボニアにあるリリーズリーフ・ファーム。この農場が注目されることになった理由、それは反アパルトヘイト活動の中心的組織だったアフリカ民族会議(ANC)の指導者や南アフリカ共産党員らが秘密裏に政府転覆を計画していた場所だったから。博物館が建てられた今、リリーズリーフ・ファームは南アフリカの歴史において正義が執行されていた場所としてネルソン・マンデラ元大統領のゆかりの地に数えられています。

1961年8月、アパルトヘイト反対運動の本部を設けるために南アフリカ共産党が購入したリリーズリーフ・ファームは、その後ANCの指導者や南アフリカ共産党員の秘密の会合場所となりました。表向きはGoldreichという白人家族が経営する農場に見せかけ、ネルソン・マンデラ元大統領自身もDavid Motsamayiという偽名を使い、作業着をまとい料理人兼庭師という労働者を装っていたと言われています。

それまで非暴力による運動を続けていたANCも徐々に武力闘争の必要性を感じるようになり、次第にこの農場がANCの武装グループ「Umkhonto we Sizwe (MK)」が結成された場所として広く知られるようになると、1963年7月11日には警察の家宅捜索が入りました。結果として、ネルソン・マンデラはいわゆるリボニア裁判にかけられ国家反逆罪に問われたほか、ゴヴァン・ムベキ、アーメッド・カトラダ、レイモンド・ムフラバ、ウォルター・シスルといった多くのANC指導者が投獄されることになりました。

南アフリカの歴史を左右したといっても過言ではないこの農場の歴史と伝説を保存することを目的に、リリーズリーフ・ファーム博物館は2008年に公開されました。ブティックホテルや会議施設、研修センターも併設されたこの博物館では現在、数多くの教育関連プロジェクトも計画されています。

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★ご存知ですか?

リリーズリーフ・ファームが警察による家宅捜索を受けた時、ネルソン・マンデラはすでに投獄されていました。