首都プレトリアの街で南アフリカの歴史と出会う
世界各国の首都と同様、南アフリカの首都プレトリアには興味深い歴史と豊かな文化が備わっています。
南アフリカの政治の中心地を散策しながら、この国の歴史に触れてみてください。ユニオンビル(Union Buildings)やフリーダム・パーク(Freedom Park)、チャーチ・スクエア(Church Square)、数多くの博物館へ足を運べば、南アフリカ独自の文化に関する見聞が広がります。
プレトリア/ツワネ(Tshwane)の歴史と文化は、この街の特徴に多く反映されています。かつてのトランスバール・ボーア共和国の首都だったプレトリアは新たな民主主義国家の行政・外交をつかさどる中心都市として、ハウテン州のツワネ自治区に属しています。
プレトリアの歴史と文化は毎日の生活にも根づいており、街のいたるところで歴史的なランドマークを目にすることができます。中心部にあるチャーチ・スクエア周辺を歩いていると旧ボーア共和国の国会議事堂、ディ・ラードサール(Die Raadsaal)、アングロ・ボーア戦争が終結した1902年までイギリスが陸軍病院として使用していた裁判所(Palace of Justice)などが視界に入ってきます。
中でも圧巻なのはハーバート・ベイカー卿の設計による荘厳なユニオンビル。三日月形の複雑な建築物は、南アフリカの行政をつかさどる要所として1910年に建設されました。ここでは南アフリカの政治の歴史、現在の国政の動向などを体感することができます。
アート好きにはアルカディア(Arcadia)にあるプレトリア美術館(Pretoria Art Museum)がおすすめ。のどかな環境に囲まれた美術館は、南アフリカならではの民族多様性を讃えるイベントや展示会場として頻繁に利用されています。
プレトリア大学(University of Pretoria)には貴重な美術品のコレクションが所蔵される一方で、国立文化歴史博物館(National Cultural History Museum)へ足を伸ばせば、多数の岩絵やンデベレ族の壁画、歴史的に有名な金・銀製の芸術作品をご覧になれます。
また、フリーダム・パークでは斬新な手法により南アフリカの歴史を「見る」ことができます。この国の歴史的認識の具現化を目的とし、サルフォコップ(Salvokop)の丘の上に建設されたこの施設では、現在の南アフリカが築かれるまでの解放の闘いを祝して、英雄たちを讃えています。ここには第一次世界大戦および第二次世界大戦、ボーア戦争、そしてアパルトヘイトの時代に命を落とした全ての追悼者の名を刻んだ民主主義を讃える記念碑もそびえ立っています。フリーダム・パークを訪れずにプレトリアを離れることはできません。
プレトリアは誇りとともに、その豊かな文化と歴史を今に語り継いでいます。そしてこの街から少し離れた場所にある世界遺産「人類のゆりかご」では、私たち人類の祖先の歴史と出会うことができます。
【旅の計画に役立つヒントと情報】
◆問い合わせ先
プレトリア/ツワネ観光案内センター
電話:+27 12 358 1430
Eメール:tourisminfo@tshwane.gov.za
◆アクセス
プレトリアへは車かバスを利用してN1号線、N4号線、N14号線でアクセス可能。O.R.タンボ国際空港からの所要時間は車で約1時間。
◆周辺の散策
車が便利ですが、ツアーを利用しても楽しめます。
◆滞在期間
旅程に応じて2泊から1週間程度。
◆宿泊施設
人気のシェラトン・ホテルをはじめ、手頃なシティホテルやブティックホテル、ゲストハウスなどが数多く揃っています。
◆食事
プレトリアは地元ならではの料理に加えて、世界各国の料理が味わえるレストランが数多くあることで知られています。
★ご存知ですか?
ヤコブ・マーレ通り(275 Jacob Maré Street)のメルローズ・ハウス(Melrose House)はプレトリアで最も魅力ある歴史的建造物のひとつで、裕福なビジネスマンの住居として1880年代に建てられました。