Spot 南アフリカ観光スポット

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アングロ・ボーア戦争の置きみやげ コスモスルート

コスモスルートに咲く華麗なコスモス

コスモスルートが鮮やかな色に染まるのは南半球の秋。一斉に開花するコスモスは“道沿いのダンス”とも呼ばれています。辺り一面を埋め尽くすピンク、ホワイト、紅色の華麗なコスモスが風と踊る様子はもちろん、コスモスルートでは豊富な天然資源に恵まれた南アフリカの鉱山への訪問なども楽しめます。

ムプマランガ州に位置するコスモスルートの由来について、歴史家はアングロ・ボーア戦争との関連性を指摘しています。メキシコ原産のコスモスの種は、戦時中に英国軍が所有していた騎馬のための餌袋の輸送によって運ばれてきたとされています。そしてハイヴェルド地方の南東部に延びる道沿いでは今なお、南半球の晩夏から早秋になると色鮮やかなピンクやホワイトのコスモスの花で彩られます。

コスモスルートの中心部に位置するムプマランガ州のセクンダはエネルギー大手サソール社の石炭液化工場があることでも知られ、敷地内の地下には5つの炭鉱から成る世界最大級の採炭コンプレックスが形成されています。またセクンダから程近くの街、エヴァンダーにはキンロス金鉱があり、この辺りは石炭と金の採掘が同時に行われる世界で唯一の場所となっています。天然資源に恵まれた土地は南半球の夏になると豊かな緑に染まり、午後になると毎日のように紫色の雲の峰が空を覆い、激しい雷雨に見舞われます。

ムプマランガ州でのコスモス観賞ツアーでは、ハイヴェルド地方に降り注ぐドラマチックな陽光を浴びる可憐なコスモスが満喫できます。コスモスはとても絵になる被写体ですので、道沿いで風に揺られる上品な佇まいをカメラに収めたり、花瓶に束ねられた華麗な姿をキャンバスに描いたりして楽しめます。

またコスモスルートの半径40㎞圏内には南アフリカ有数の名門ゴルフコースが少なくとも5か所あります。さらにセクンダにはミシシッピ様式のカジノ、キンロス周辺には自然保護区、ベタールやクリエルの辺りには小型の野生動物が数多く生息しており、野鳥愛好家のパラダイスとも評されています。

コスモスカントリー周辺には幹線道路が整備されていますが訪れる際にはあちらこちらへ寄り道して、地下に眠る豊富な資源、肥沃な大地を覆う植物、そして秋を彩るカラフルなコスモスを思う存分に満喫してください。

★ご存知ですか?

英国王室のファミリーが1947年にこの地域を訪れた際、コスモスの花をいたくお気に召したそうです。