南アフリカで光り輝くダイヤモンドの都、キンバリー

キンバリーは1870年代のダイヤモンドラッシュに湧いた輝かしい過去を誇る街。歴史好きなら南アフリカのルーツが地中に存在していたことに気付きます。北ケープの州都であるこの街はダイヤモンド・シティの愛称で長年に渡って親しまれています。

閉鎖されたダイヤモンド鉱山のガイドツアーに参加して、地下840メートルの地点へ潜ると当時の面影が伝わってきます。そして地上へ戻ったら青空の下、宝石店を巡りながらおまちかねのショッピングが楽しめます。

市内観光はキンバリー最大の見どころであるビッグホール（Big Hole）から開始。サッカーコート8個分の広さに相当する巨大な穴が人の手で掘られたという事実を知ると、労働者たちの苦労を察することができます。ビッグホールは人の手によって掘られた穴としては世界最大級を誇っています。

ビッグホールのすぐ側にはキンバリー鉱山博物館（Kimberley Mine Museum）があり、ダイヤモンドラッシュで活況を呈したキンバリーの様子を伺い知ることができます。博物館に展示されている建物の多くは実在していたもので、数年の歳月を費やして移設されました。

街の中心部から数キロの地点には、キンバリー最古の郊外住宅地として1870年代に誕生したベルグラビア（Belgravia）があります。ダイヤモンド取引の全盛時に建てられた住居が立ち並び、南アフリカの鉱山王として君臨したハリー・オッペンハイマー誕生の地として知られています。かつてここには世界中のどこよりも多くの億万長者が住んでいたと言われています。

アート愛好家へのおすすめはワルドビースト・クイルロック・アートセンター（Wildebeest Kuil Rock Art Centre）。ここにはサン族による古代の岩絵から現代の芸術作品が数多く展示されています。また隣接するウィリアム・ハンフリーズ美術館（William Humphreys Art Gallery）には、南アフリカ出身の画家が手がけた作品が多数展示されているとともに16〜17世紀のフランドル、オランダ、イギリス、フランスの巨匠による貴重なコレクションも所蔵されています。

軍史に関心のある方は、南アフリカ戦争（アングロボーア戦争）中にボーア軍がキンバリーを数カ月にわたって包囲し、激しい戦闘が繰り広げられた歴史を詳細に学ぶことができます。キンバリーから約30kmの地点で、1899年の激戦の地となったマゲルスフォンテーンの戦場（Magersfontein Battle field）には博物館が併設されており、過去の戦争に思いを馳せることができます。

世界に広く知られるダイヤモンドの都、キンバリーは最高品質を誇る一点もののジュエリーとして高い評価を獲得しています。キンバリー訪問の際には、ダイヤモンドの都でしか手に入らない自分だけのとっておきの“お土産”を購入してはいかがですか？

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
ソル・プラーチェ観光局（Sol Plaatje Tourism Department）
電話：+27 53 830 6272
121 Bultfontein Road, Civic Centre, Kimberley
Eメール：Tourism@solplaatje.org.za

◆アクセス
キンバリー空港へは南アフリカの主要都市からノンストップの定期便が運航されています。ヨハネスブルグからの距離は約500km。車で5時間を要します。

◆ベストシーズン
春の涼しい頃（8・9月）と秋（3・4月）がおすすめ。キンバリーの夏（12月～3月）は厳しい暑さが続き、冬（5～7月）にはかなり冷え込むことがあります。

◆周辺のおすすめ
世界的に知られるドゥガン・クローニン美術館（Duggan-Cronin Gallery）には1919〜1939年に南アフリカの農村部で撮影された約8,000枚の貴重な民族史学写真が展示されており、当時の田園生活を垣間見ることができます。

◆おすすめのツアー
ビッグホール、マゲルスフォンテーン戦場、ワルドビースト・クイルロック・アートセンターは必見。キンバリーには他にも数多くの見どころがあり、数日滞在しても退屈することはありません。

◆周辺の散策
キンバリーは路面電車が走る南アフリカ唯一の都市。ダイヤモンドラッシュの時代から運行が続いています。

◆宿泊施設
キンバリーには高級ホテルが数多くありますが、おすすめは街の歴史地区にあるダイヤモンドラッシュ当時の建物を利用した趣のあるB&Bやゲストハウス。