人類発祥の地から世界に影響をおよぼした英雄の物語まで
400万年前という気が遠くなるほどの昔に地球上で人類の歴史が始まった場所で世界遺産に登録されている「人類のゆりかご」では、人類の最初の祖先の存在を示す証拠が数多く発掘されています。私たちの祖先はアフリカ大陸のこの一画で生活を営みながら進化し、世界各地へと散らばっていきました。全ての始まりとなった人類発祥の地は、世界各国から訪れる観光客を暖かく迎えてくれます。
古代アフリカの精神は、失われた王国と称されるとともに鉄器を用いていたマプングブェ(リンポポ州)で今も生き続けています。黄金と先端の文明を誇った王国は、今から数百年前に遥か遠くのアジアとの交易をおこなっていました。文化と伝統、神話の中に息づく古代精神の中で今なおリンポポ州を支配する雨の女王、モジャジほど魅力的な存在は見当たりません。
クワズールー・ナタール州で戦いが繰り広げられた時代に遡り、偉大なる戦士シャカ・ズールーが率いた強大なズールー王国が勝利を収めた戦場を散策した後は村へと足を伸ばし、誇り高きズールー族が数百年にわたって継承する動物柄の衣装やアート、食事、伝統文化の魅力に触れてみてください。
また、何はともあれネルソン・マンデラの物語を聞かずして南アフリカを後にするわけにはいきません。東ケープ州にある素朴なムベゾ村、かつてマンデラが暮らしていたソウェトの家、27年間の投獄生活の18年を過ごしたロベン島の監獄などに代表されるマンデラの足跡を辿ってみましょう。
人類最古のルーツが存在する南アフリカは多様な文化が融合された「虹の国」へと進化を遂げました。南アフリカを訪問の際には都会と田舎のそれぞれが持つ魅力に触れてみてください。賑やかな都会のマーケットや、ソウェトに代表されるタウンシップ(旧黒人居住区)、現代的で躍動感に満ちた都会のバー、劇場、ジャズクラブ、伝統料理のレストランなど、多様なライフスタイルが放つ魅力を体験できます。しかし、これらもほんの一部にしか過ぎません。多様性は南アフリカが誇る貴重な遺産。国籍や文化の違いを問わず、南アフリは全ての訪問者を暖かく迎え入れ、挨拶代わりに南アフリカ流のイカした握手を交わします。そして忘れることのない旅の思い出とともに、この国を故郷と呼ぶに違いありません。
南アフリカへの旅は、私たち人類の物語の第一章を共有すること。旅人としてではなく、友人として生まれ故郷に帰ってくる人々を歓迎します。
★ご存知ですか?
2022年3月時点で南アフリカには計10ヶ所の世界遺産が登録されています。