Spot 南アフリカ観光スポット

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スタイリッシュな海辺の村、カークベイ

食事、アート、アドベンチャーなど興味の対象が何であれ、この海辺の村を訪ねればきっと満足するに違いありません。のんびりした漁村と活気に満ちたメインストリートを併せ持つカークベイ。ここには人々、歴史ある建築物、丸石を敷き詰めた通り、ボヘミアン調の雑貨店、古本屋、アートギャラリー、アンティークショップ、カラフルな漁船、極上のレストランが混在し、独自の魅力を放っています。

カークベイは以前、石灰やクジラに関連する製品の生産地でしたが、今ではケープ半島のファルスベイに面した流行の先端を行く村へと変貌を遂げ、かつて捕鯨員や海賊、船長らが住んでいた場所には作家や音楽家、レストラン経営者などが暮らしています。

ケープ半島のカークベイに到着すると、この村の自由な雰囲気がすぐに感じられます。この村の雰囲気を体感しながら、昔ながらの漁村を終日散策してみてください。

おもしろそうな街角の書店、その近くに漂うコーヒーの香り、通りに並べられた工芸品、昼食に港で食べるフィッシュ&チップスの退廃的なおいしさ、夕暮れ時にキューバ・スタイルのレストランで飲むモヒート、夜遅く催される海辺のダンスパーティなど、カークベイには何度でも足を運びたくなる魅力が備わっています。

カークベイはミューゼンバーグ(Muizenberg)とサイモンズタウンの間にあるファルスベイに面した村。ここに最初にやって来たストランドローパー(沿岸部で暮らしていた先住民コイ族)は魚介類が豊富に採れることを発見しました。その後、石灰を製造するために入植が始まり、大量の貝殻から石灰を造ってはケープタウンの市場へと送っていました(これが理由となりオランダ語で「石灰」を意味する「カーク」という名前が付けられた)。

1800年代半ばになるとファルスベイでは捕鯨が盛んになりました。この辺りの海は暖かく、出産や新しいパートナーを探しにクジラが集まり、ミナミセミクジラの大群を捕えるようになったのです。

興味深いことにカークベイには、どこからともなく現れたフィリピン人のコミュニティが形成されました。最初にやって来たフィリピン人は難破船から泳ぎ着いたとも、サイモンズタウンに寄港中の船から脱走したとも言われています。ことの始まりはともかく、フィリピン人はカークベイが暮らしやすい場所であることを手紙で本国へ伝えました。

1898年にフィリピンがスペインから米国に譲渡された時、ほとんどのフィリピン系住民は帰国しましたが、残った人々は地元のコミュニティで結婚し、その後も留まりました。それから間もなくポルトガル人、イタリア人、インドネシア人、アフリカーナーが移り住んできましたが、全ての人に共通していた点がひとつありました。それは釣り好きだということ。

捕鯨は廃れてしまいましたが、今でも美しいミナミセミクジラはこの辺りの海にやって来て、子供たちの姿を見せてくれます。漁師たちも港から漁に出かけます。正午にはその日の釣果を並べては、楽しげな声で賑やかに売りさばきます。ここでは新鮮な魚が手頃な価格で販売されています。

20世紀のカークベイにはクリエイティブな雰囲気がみなぎっていました。そのため芸術家をはじめ作家、音楽家、レストランやナイトクラブの経営者たちが好んでこの村で暮らすようになりました。当時の美しい建物の多くは改装され今なお残されています。カークベイで家を購入したくても長く待たされることが多いのですが、誰もこの場所を離れたがらないのがその理由となっています。

旅の計画に役立つヒントと情報

◆問い合わせ先
ケープタウン観光局(Cape Town Tourism)
電話:+27 21 487 6800
Eメール:info@capetown.travel

ケープポイント・ルート(Cape Point Route)
電話:+27 21 782 9356
Eメール:info@capepointroute.co.za

◆アクセス
ケープタウン中心部からカークベイまでの距離はおよそ30km。ケープタウンからミューゼンバーグを経由してカークベイへ向かう際には、海岸沿いの道路(メインロード)またはボーイズ・ドライブ(Boyes Drive)を利用する2通りのルートがあります。

◆ベストシーズン
夏(11〜2月)のカークベイは夢心地が味わえますが、冬(6〜8月)でも格別の雰囲気が楽しめます。

◆周辺情報
カークベイとサイモンズタウンの間を移動する際には水上タクシーが利用でき、沖合から美しい写真を撮影できます。

◆おすすめツアー
サイドカーに乗ってケープ半島を走る“ケープ・サイドカー・アドベンチャー”はおすすめ。詳細はケープポイント・ルートのウェブサイトでご確認ください。

◆周辺地域
カークベイでは主要な見どころを徒歩で見て回れます。

◆料金
カークベイの物価はケープタウンとほぼ同じですが、サービスや食事、宿泊施設のレベルに応じて価格帯は異なります。

◆滞在期間
最低2日の滞在をおすすめします。

◆持ち物
急に天候が変わったり、風が強まることがあるので、季節を問わず上から羽織れるものを用意すること。

◆宿泊施設
ケープポイント・ルートのウェブサイトで宿泊施設に関する情報が案内されています。

◆食事
高級感のあるオリンピア・カフェ(Olympia Café)、伝統的なブラス・ベル(Brass Bell)、素晴らしい眺めが楽しめるハーバーハウス・レストラン(Harbour House Restaurant)、ケープ・トゥ・キューバ(Cape to Cuba)などで新鮮な魚介類を用いた料理が味わえます。港にあるカーキーズ(Kalky’s)のフィッシュ&チップスも絶品です。

◆おすすめの買物アイテム
漁港で「本日おすすめ魚(Catch of the day)」を買って、ぜひバーベキューして味わってみてください。

★ご存知ですか?

アパルトヘイト時代においても、カークベイでは多様な民族が共に暮らすコミュニティを守り続けていました。