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マディクウェ動物保護区

マディクウェ動物保護区(Madikwe Game Reserve)は、ビッグファイブ(ライオン、ゾウ、バッファロー、サイ、ヒョウ)が生息すると同時に、マラリア感染の心配が要らない南アフリカ有数の動物保護区。この保護区は環境保護・自然主義者ではなく、経済専門家によって設立されました。経済学者らはこの土地を有効的に活用する方法として、それまでの畜産よりも自然保護区を設立したほうが収入と雇用が増えると判断したのです。そしてマディクウェでの成功は現在、南アフリカにおける環境保全の模範事例とされています。

ノースウェスト州の北部、ボツワナとの国境近くに位置するマディクウェ動物保護区は、環境保全の観点からは少しばかり変則的と言えます。環境保護活動家が貴重な植物や動物の生息を理由に選んだのではなく、生産性の低い畜産農場から生産性の高い自然保護区へと生まれ変わった場所なのです。この場所に動物保護区を設立すれば、その他の用途で土地を活用するよりも多くの雇用と収入が生まれると経済専門家は考えたのです。マディクウェは現在、地域社会に利益をもたらす環境保全活動の模範事例として高く評価されています。

注目に値するもうひとつの側面は、アパルトヘイト時代にバンツースタン(黒人居住地域)として定められたボプタツワナの土地に1991年に設立されたという事実。その後、ボプタツワナは1994年に南アフリカに復帰を遂げています。

設立当時はボップ・パーク(Bop Parks)と呼ばれ、国が土地と野生動物を管理しながら、民間セクターがサファリロッジを通じて利益を得るとともに、周辺コミュニティには持続的な雇用と収入をもたらすという取り組みが展開されました。

理論上は完璧で、現実としてもうまくいきました。フェニックス作戦は1991年から展開され、1997年までに延べ8,000頭以上の動物がボップ・パークへと運び込まれました。これは世界最大規模となる動物の再配置でした。そして複数の民間企業が750平方キロメートルにおよぶ広大な公園の中にサファリロッジを建設し、商業的成功を収めました。マディクウェ周辺にあるスピングスタッド(Supingstad)、レクゴファング(Lekgophung)、モラテディ(Molatedi)という3カ所の村も繁栄しています。

また女性の地位向上も特筆すべき側面で、多くの女性が園内で雇用されています。社会的・経済的改善の他、マディクウェは現在、ビッグファイブの観察に最も適した動物保護区のひとつとしても高い評価を得ています。マラリア感染の心配が要らないという利点もあります。環境保全活動による利益が具現化された事例として、マディクウェは模範的存在と言えます。

マディクウェは州立動物保護区で、豪華絢爛な私営動物保護区とは異なりますが、高級ロッジと比べても遜色のないサファリ体験を提供しています。公園とその周辺で出会う人々から見て取れるプライドは、マディクウェの魅力を生み出している重要な要素と言っても過言ではありません。

【旅の計画に役立つヒントと情報】

◆問い合わせ先
マディクウェ公園管理局(Madikwe Park Manager)
電話:+27 18 350 9931
Eメール:madikweadmin@telkomsa.net

◆アクセス
プレトリアとヨハネスブルグからの距離は約350km。舗装された道路で4時間かかります。滞在するロッジによって道順は異なるので、事前にしっかりと確認すること。保護区内には滑走路も整備されています。チャーター便に関する詳細は滞在するロッジに問い合わせてください。

◆ベストシーズン
夏はとても暑くなります。さほど気温が高くない3〜11月がおすすめ。

◆周辺のおすすめ
ボツワナとの国境に近く位置していることから、ボツワナへの旅行の前に立ち寄るのに絶好の場所。サンシティ(Sun City)やピーランスバーグ国立公園(Pilanesberg National Park)も近くにあります。

◆滞在期間
少なくとも2泊。できれば3泊以上が理想。

◆宿泊施設
豪華さのレベルが異なるサファリロッジが20軒以上揃っています。ほとんどのロッジは5ツ星クラスで宿泊料金もそれ相応となります。

◆食事
ほとんどのサファリロッジの宿泊には1日3回の食事が含まれています。

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★ご存知ですか?

現在、マディクウェ動物保護区とピーランスバーグ国立公園の合併に向けた保全回廊地域の設置が検討されています。