南アフリカが世界に誇る豪華列車の旅
東ケープ州と西ケープ州にまたがるカルー地方の夜空に浮かぶ月を眺めながら眠りにつく・・・。翌朝、淹れ立てのフレッシュコーヒーの香りで目覚めると、葡萄畑に囲まれた線路上をケープタウンへ向かって堂々と走る。そんな胸の高鳴る豪華列車の旅を南アフリカで体験してみてはいかがでしょう。
ザ・ブルートレイン(The Blue Train):
世界の豪華列車トップ3のひとつとして確固たる地位を築いている南アフリカのザ・ブルートレインは、「走る超高級ホテル」と呼ばれ、その魅力は歴史を紐解けば見てとることができます。
世界各国から訪れる乗客を最上級のもてなしとともに魅了し続ける優雅な5ツ星列車が美しい自然景観の中を走る姿を目にすると、南アフリカの人々は感嘆のため息を漏らします。ザ・ブルートレインは、南アフリカの素晴らしさを象徴する存在であると同時に、この国の誇りでもあるのです。
1940年代初頭にユニオン鉄道会社が所有していた独特のサファイアブルーに覆われた客車が、ブルートレインという名称の起源とされており、南アフリカの豪華列車の総称にまでなりました。以降、ザ・ブルートレインは幾度かの全面改修を経て今なお、アイリッシュリネンや食堂車の銀食器、大理石の床、ビロードの白いタオルにグースの羽毛布団などを提供し続けています。列車内では好みのテレビ番組の視聴も可能ですが、目を窓の外に移せば美しい自然景観を堪能できます。
最高級のカルー産ラム肉、ナイズナ産のオイスター、魚のアカメ、伊勢エビにインパラ肉など、贅沢かつ新鮮な食材ばかりを用いた料理は言葉も失うほどの絶品ばかり。ベジタリアン食や宗教食の要望にも対応しています。
2両あるザ・ブルートレインのうち、ひとつにはビジネス会議が可能なラウンジを装備。22人分の2つ折りの座席が配置されており、展望車としても利用されています。車内のブティックでは洗練された宝石アクセサリーをはじめ、オリジナルグッズや記念品各種を販売しています。
運行路線はプレトリアを起点にビクトリアフォールズ、ケープタウン、ホエスプロイトへの3路線と、ケープタウンからポートエリザベスへの定期運行路線に加えて、チャーター便を運行することもあります。路線によってはキンバリー、マッジェスフォンテン、ダーバン、デ・アール、ヨハネスブルグ、ラステンバーグ、ピーターマリッツバーグなどで途中停車することもあります。なお最も人気の高いプレトリア/ケープタウン線は往復ともに2019年1月1日より従来の1泊から2泊へと旅程へと変更されています。
ザ・ブルートレインでは世界最高峰の列車による旅のロマンが感じられ、車窓の外に広がる南アフリカの大自然との一体感を味わえることこそがザ・ブルートレインでの体験を特別なものにしてくれます。
ロボスレイル(Rovos Rail):
1930年代にタイムスリップしたようなノスタルジックでエレガントな豪華列車。 ロイヤルスイートは車両の半分を占有しており、快適な客室でゆったり過ごすことができます。車両の最後尾にある展望車ではアフタヌーンティーに興じたり、大きな窓から見える美しい景色を眺めながらスパークリングワインを堪能できます。
南アフリカの豪華列車として世界的人気を集めるロボスレイルは2016年1月より、3ツ星クラスの列車として定評あるションゴロロ・エキスプレスの客車19両を購入。車両にはグリーンとクリーム色の塗装が新たに施され、食堂車と展望車も完備。客室には約10㎡のエメラルドスイート6 室と約7㎡のゴールドキャビン30室が揃っています。
ションゴロロ・エキスプレス(Shongololo Express):
「フルサービスを提供するトラベリング・ホテル」として定評があります。列車の旅の途中で歴史的な戦場ツアーや熱気球による遊覧飛行が体験できるサファリ・トレインも運行されています。シェフはケープオランダ料理やマレー料理、本格的なアフリカ料理を含めた南アフリカ料理の数々を提供。ワインには南アフリカの有名ワイナリーからのセレクションを揃えています。
【旅の計画に役立つヒントと情報】
◆問い合わせ先
ザ・ブルートレイン(The Blue Train)
電話: +27 12 334 8459
Eメール: info@bluetrain.co.za
ロボスレイル(Rovos Rail)
電話:+27 12 315 8242
Eメール:reservations@rovos.co.za
ウェブサイト:http://www.rovos.com
ションゴロロ・エキスプレス(Shongololo Express)
Tel: +27 11 486 4357
ウェブサイト:www.shongololo.com
◆アクセス
ブルートレインはプレトリアとケープタウン、ダーバンの各都市を結ぶ路線で運行。
ロボスレイルは、プレトリアのアルカディア駅(Arcadia Station)から出発。
ションゴロロ・エキスプレスは「サザンクロス:プレトリアからビクトリアフォールズへの12日間」「デューンエキスプレス:プレトリアからナミビアのスワコプムンドへの12日間」「グッドホープ:プレトリアからケープタウンへの15日間」の3コース。
◆地域周辺
ザ・ブルートレインでは運行する路線によってキンバリー、マッジェスフォンテン、ダーバン、デ・アール、ヨハネスブルグ、ラステンバーグ、ピーターマリッツバーグなどで途中停車することがあります。ロボスレイルのケープタウン行きではマッジェスフォンテンで途中下車し、歴史あるマッジェスフォンテン村まで約5kmのウォーキングが楽しめます。ションゴロロ・エキスプレスでは各地の伝統文化や歴史を楽しめるプログラムやサファリロッジでの宿泊といったオプションが用意されています。
◆持ち物
夕食時は男性は背広とネクタイを着用。女性はドレッシーな装いで。
◆宿泊施設
ブルートレインには手荷物搭載用車両や乗員の専用車両に加えて、喫煙者向けのクラブ、デラックススイート、キッチン、食堂、ラウンジを併設する車両などで編成されています。
ケープタウンのカークベイにあるセント・ジェームス・ゲストハウスは周辺エリアを探索するのに便利な場所にあります。 季節によっては海岸線からわずか数メートルにミナミセミクジラの姿を見ることもできます。
★ご存知ですか?
ブルートレインは“アフリカ最高峰の豪華列車”として数多くの受賞歴を誇っています。